治療の流れ

矯正治療は時間がかかると言われています。確かにほかの歯科治療に比べて、歯を動かす期間や保定する期間を合わせると数年間にわたることがほとんどです。これは歯の動くスピードや、顎の骨の成長、歯周組織の変化などが深く関わってくるためですが、患者さまにとっては治療期間が短いにこしたことはありません。かといって、刹那的な考えで歯を削って被せ物をして見た目だけを良くすることは、歯の寿命を著しく縮めます。矯正治療で歯ならびを整えることは、歯を長持ちさせることにつながります。将来にわたって長い目で見たときに、一生健康な自分の歯で食事ができることは何ものにもかえがたいことです。 当クリニックでは、できるだけ歯を長持ちさせるために、「歯に矯正装置をつける期間はできるだけ短く、それ以外の定期観察の期間はできるだけ長く」というモットーで診療をおこなっております。

こどもの矯正治療 大人の矯正治療
こどもの矯正治療(幼稚園後期~中学生前半)
成長期にあるお子さまの矯正治療は基本的に2段階に分けられます。成長期には顎(あご)の骨の旺盛な成長があり、乳歯もまだ残っている状態です。従って全ての歯をコントロールするわけではなく、将来のかみ合わせのキーポイントとなるところを整える、いわば土台作りの治療(第1期治療)になります。その後は整えたところを保定しながら成長観察を続けます。体の成長がほぼ終了する中学生後半以降になったところで再分析・再評価して、必要があれば仕上げの治療(第2期治療)を行います。第2期治療は大人の治療と同じく、全ての永久歯をコントロールして良好なかみ合わせを作ります。この2段階に分けた治療により、それぞれ適切なタイミングで最も効果のある治療を短期間でおこなうことができるため、非常に効率的です。やみくもに治療を始めてしまうと結局治療期間は長引くだけで、お子さまの負担は増えるばかりか、むし歯や歯肉炎のリスクが高くなってしまいます。ただし症状によっては、第1期治療から続けて第2期治療に移行したり、第1期治療をパスして第2期治療で全ての問題を解決するという場合もあります。

目で見て分かる範囲での歯ならびの状態と、予想される治療方針・期間・費用などについてご説明いたします。ご希望のあった患者さまのみ、次の精密検査に進みます。(30~60分)
口腔内診査、各種レントゲン撮影、顔面・口腔内写真撮影、印象採得(歯の型とり)などを行います。(およそ60分)
検査の結果を詳しくご説明します。その後治療プランをご提案しますので、お話し合いで治療方針を決定します。(30~60分)
部分的な歯の矯正治療や、顎の骨に作用する装置で治療します。治療期間は通常1年~1年6ヵ月で、通院間隔はおよそ1ヵ月に1回です。
治療したところを保定しながら、歯のはえかわりや顎の骨の成長観察を続けます。この期間はもちろんむし歯予防に努めます。
定期的な検査を通して、仕上げの治療が必要かどうかを決定します。特に問題がなければメインテナンスに移行します。
大人の矯正と同じく全ての永久歯をコントロールして良好なかみ合わせを構築します。治療期間は通常2年前後(症状による)で、通院間隔はおよそ1ヵ月に1回です。
移動させた歯が戻らないように保定装置でしっかりと保定する(押さえておく)期間です。この期間はアフターケアの期間として2~3年ほど設定しております。通院間隔は1年に2~3回です。
保定が終了してかみ合わせが安定した後は、できるだけ一生歯を保つために、むし歯や歯周病の予防に力を入れた定期観察をお勧めしております。
※当クリニックでは、初診相談を受けたら自動的に精密検査に移行したり、診断のお話し合いをしたからといって必ず治療開始になるといったことはございません。あくまでも患者さまのご希望があった場合にのみ、次のステップに進みます。また、矯正治療に関するセカンドオピニオンにも対応しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

こどもの矯正治療の目的
☆顎の骨の成長を利用して、永久歯が生えるスペースを獲得する(歯ならびの問題)
歯ならびが悪くなる最大の要因は、顎の骨の大きさと、将来生えてくる永久歯の数と大きさのバランスが取れていないことにあります。顎の骨が小さい場合には歯ならびは凸凹になり、逆に顎の骨が大きい場合は隙間の多い歯ならびになります。成長期の顎の骨は比較的柔軟性に富んでいます。これを利用して将来凸凹が予想される場合は、歯列を拡大して永久歯が生えるスペースを獲得します。結果として将来的に歯を抜いて矯正治療する可能性が低くなります。ただし、この歯列の拡大には限界があります。将来歯を抜くか抜かないかの予測はきわめて難しく、なんでもかんでも拡大すればいいというものではありません。歯は抜かないにこしたことはありませんが、限界を超えて拡大すると、結局仕上げの治療が大変になったり、安定性が悪くなるというデメリットがあります。将来歯を抜く可能性が高い場合は、1期治療をパスして、2期治療ですべて治すという場合もあります。
☆顎の骨の成長を利用して、上下の顎の骨の位置関係を改善する(かみ合わせの問題)
例えば出っ歯傾向(上顎前突)の場合は、上顎の骨の成長を抑制したり、下顎の骨の成長を促進させたりする治療を行います。逆に受け口傾向(下顎前突)の場合は、上顎の骨の成長を促進させたりする治療を行います。人間の顎の骨は、上顎は顎整形力(外から作用させる物理的な力)に対する応答性が比較的よく、下顎は応答性が悪いという性質を持っています。つまり、上顎は成長のコントロールが比較的し易く、下顎は成長のコントロールが難しいのです。従って、重度の下顎前突の場合は1期治療を行わずに、成長が確実に終了するまで待ってから2期治療で治します。このとき程度によっては顎の骨を手術して治す外科矯正の適応になる可能性があります。無理に1期治療を行うと、いたずらに治療期間が長くなってしまい、お子さまの負担が大きくなってしまうことがあります。
☆機能的な問題を早期に解決して、正常な顎の運動と顎骨の成長を獲得する。
こどもの歯ならびは、上下とも乳歯の場合は基本的にそれほど気にしなくても大丈夫なのですが、永久歯がはえてくるにしたがって、注意を要する場合があります。特に食べる・話す・呼吸するといった機能的な面で問題がある場合は、歯ならびや顎の運動・成長に大きく影響することがあります。こどもの矯正治療の大きな目的として、そういった機能的問題をできる限り改善することがあります。将来起こりうる弊害を未然に防ぐことで、歯ならびの悪化を予防したり、正常な顎の骨の成長を誘導して、仕上げの治療(2期治療)が短期間で済むようになります。以下に注意を要する場合の例を挙げます。

注意を要する子どもの歯ならび
  • 咬んだときに全ての歯が同時に咬み合わず、一部の歯が干渉するために、顎をずらさないと残りの歯が咬み合わない。
  • 干渉している歯や顎関節への負担が大きくなります。
  • 右の奥歯と左の奥歯で咬み合わせが左右対称でない。あるいは下顎が横にずれている。
  • 顎の骨の成長に悪影響がでる場合があります。
  • 前歯のかみ合わせが反対(受け口)である。
  • 顎の骨の成長に悪影響がでる場合があります。
  • お口に関係する習癖がある。(指しゃぶり、舌を咬む癖、口唇を弄ぶ、特定の楽器を演奏する、etc...)
  • 歯ならびが悪くなることがあります。
  • 乳歯の奥歯がむし歯などで無くなってしまった後、放置している。
  • 6歳臼歯が前に倒れてしまい、後から生えてくる永久歯のスペースが足りなくなることがあります。
  • 異常嚥下癖(食べ物を飲み込む時の悪い癖)がある。
  • 歯ならびが悪くなることがあります。
  • 鼻づまりがひどく、常に口で呼吸している。
  • 歯ならびが悪くなることがあります。
  • 口唇と歯ぐきの間のスジ(上唇小帯)の位置が悪い。
  • 前歯に隙間ができることがあります。
  • 舌の位置が悪い・サイズが大きい。
  • 歯ならびが悪くなることがあります。
  • 舌の裏のスジ(舌小帯)が短い。
  • 発音に影響がでたり、歯ならびが悪くなることがあります。
  • 前歯が極端な出っ歯である。
  • 転倒した時に歯を折ってしまう確率が高くなります。
  • なかなか生えてこない永久歯がある。
  • ほとんどの場合は大丈夫ですが、矯正治療で歯を牽引しなければならないこともあります。
  • 乳歯がいつまでも残っている。
  • 生まれつきそこの永久歯が無い可能性があります。
  • 発音しにくい言葉がある。
  • 原因は様々ありますが、歯ならびが関係している場合もあります。
☆審美的(見た目)問題を改善して、コンプレックスを解消する
こどもの社会では、例えば歯ならびが悪いことで、不本意なあだ名を付けられたり嘲笑の対象になってしまうことがあります。感受性の豊かなこの時期に、できることなら不用なコンプレックスは解消して、心身ともに健全な発達を促してあげたいものです。大人にも言えることですが、キレイな歯ならびは自然と周りからの評価やイメージが良くなります。
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大人の矯正治療(中学生後半~)
中学生後半になると、一般的に体の成長はほぼ終了に近づきます。顎の骨の大きさや位置もだいたい最終形に近づき、12歳臼歯(第2大臼歯)もはえそろってきます。そうなると基本的には大人と同じように治療することができるようになります。矯正治療に年齢制限はありません。歯と歯肉と歯槽骨が健康な状態であれば何歳でも矯正治療をすることができます。
大人の矯正治療では、比較的目立たない装置を使用した通常の矯正治療(唇側矯正/表側矯正)だけではなく、矯正装置がほとんど見えない舌側矯正(裏側矯正/リンガル)、表側と裏側を組み合わせたハーフリンガル、できるだけ歯を抜かないインプラント矯正、顎の骨を手術して土台から根本的に治し、お顔の形も整えることができる外科矯正、少数歯を矯正する部分矯正など多彩な治療方法が適応可能になります。

目で見て分かる範囲での歯ならびの状態と、予想される治療方針・期間・費用などについてご説明いたします。(30~60分)
口腔内診査、各種レントゲン撮影、顔面・口腔内写真撮影、印象採得(歯の型とり)などを行います。(およそ60分)
検査の結果を詳しくご説明します。その後治療プランをご提案しますので、お話し合いで治療方針を決定します。(30~60分)
全ての永久歯をコントロールして、見た目にも美しく、機能的にも良好なかみ合わせを構築します。治療期間は通常1年~3年(症状による)で、通院間隔はおよそ1ヵ月に1回です。
移動させた歯が戻らないようにしっかりと保定する(押さえておく)期間です。この期間はアフターケアの期間として3年ほど設定しております。通院間隔は1年に2~3回です。
保定が終了してかみ合わせが安定した後は、できるだけ一生歯を保つために、むし歯や歯周病の予防に力を入れた定期観察をお勧めしております。
※当クリニックでは、初診相談を受けたら自動的に精密検査に移行したり、診断のお話し合いをしたからといって必ず治療開始になるといったことはございません。あくまでも患者さまのご希望があった場合にのみ、次のステップに進みます。また、矯正治療に関するセカンドオピニオンにも対応しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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